ゲームギアのモデルチェンジについて



左から¥1,000、¥500、\3,980


概要

ゲームギア(以下GG)のRGB出力化改造には、2ASIC版(本体基板にカスタムチップが2つ搭載されているもの)のGGが必要であるが、 これまでは分解して内部の基板を確認しないと判別できなかった。そこで、たまたま入手できた2ASIC版GGを含む、手持ちの3台のGGの相違点を比べた。 その結果、外見・シリアルナンバー体系から2ASIC版を識別することはできそうであるが、なにぶんサンプルが3台しかないので、暫定版として公開する・・・

簡単に言うと、GGの見分け方です。
ただし、現時点では分解せずに外見から2ASIC版を識別することは難しいようです。
(追加情報を寄せてくれたxavier, ccorvelの両氏に感謝します)


序文 〜 ゲームギアを漁(あさ)れ! 〜

"SMS Power!"の掲示板の"GameGear-TV"(ゲームギアRGB出力化改造)の話題を見た直後、早速ICなどの部品を集めてきました。手持ちのGGを改造するためです。
しかし、いざ改造手順を読み進めると、どうもGGからの信号線の引き出し位置が良くわかりません。それもそのはず、このゲームギアRGB出力化改造は、 ある特定のバージョン(本体基板にセガのカスタムチップが2つ搭載されているもの。2ASIC版)のGGに対してしか行えないものだったのです。

手持ちのGGは本体色がスケルトン(当時、iMacが流行ったから?)+スモークブラックの物で、学生時代に、 近所のTVゲーム屋で新品¥3,980で叩き売りされていたときに購入したものです。

あやふやな知識なのですが、たしかGGは『初期型』(本体色は黒)→『カラーギア』(本体色が黒以外)→『キッズギア』(本体色がカラー+バーチャファイター等の絵柄入り)のように、 数回のモデルチェンジが行われたはずです。手持ちのスケルトンGGの基板上のカスタムチップの数は1つでした(1ASIC版)。このモデルは、2ASIC版からカスタムチップの統合が行われてチップが1つになった、と 仮定すると、より古い、初期型のGGを探せば良いのではと思いました。

探すとは言っても、この平成の御世に、大昔のゲーム機のしかも初期版を売ってるところなんて・・・
ありますよね!ハードオフ大先生です!

というわけで、2軒のハードオフのジャンクコーナーでGGを1つずつ購入して分解してみたところ、1台は見事に2ASIC版でした。 しかし、分解しないと1ASIC版と2ASIC版とが見分けられないのは、何とも不便です。
そこで、見分ける方法を調査してみました。


判別法1:シリアルナンバーによる判別方法

GGのシリアルナンバーは、本体裏に「SERIAL No.」として記載されています。
手持ちの3台のGGのシリアルナンバーは以下のとおりでした。

シリアルナンバーバージョン備考
B104128682ASIC本体色:黒。初期型か?LCD画面カバー形状が他の2つと異なる
P311161561ASIC本体色:黒
P511050481ASIC本体色:スケルトンブラック

備考欄「LCD画面カバー形状が〜」については次項を見てください。
1行目、シリアルナンバーが「B」で始まっているGGは2ASIC版でした。
ほかの2台はいずれもシリアルナンバーが「P」で始まっており、1ASIC版です。


シールの種別も微妙に異なる

おそらく、当初はモデルBのものが発売され、その後、外見のモデルチェンジとともに基板内部の見直しも行われ、 カスタムチップがよりコンパクトにまとめられた1ASICのPモデルが発売されたのではないでしょうか?
つまり、シリアルナンバーが「B」で始まっているGGが2ASIC版です!

・・・と思っていたところ、さっそく反例が現れてしまいました。
以下はChris Covell氏の手持ちの6台のシリアルナンバー一覧を、掲示板の書き込みから転載したものです。
シリアルナンバーバージョン備考
B03600282ASIC本体色:Black
B01035252ASIC本体色:Black
B410249771ASIC本体色:Black
P310705951ASIC本体色:Black
P412401161ASIC本体色:Skeleton
B411500901ASIC本体色:Blue
これによれば、B4102497、B41150090の2台は、モデルBにもかかわらず1ASIC版です。


判別法2:LCD画面カバー形状による判別方法

2ASIC版のGGを他の2台と見比べてみると、もう一つ大きな違いがありました。
BモデルのGGのLCD画面カバーはほぼ平らなのですが、PモデルのLCD画面カバーはそれよりやや厚みが増し、丸みを帯びています。


写真はBモデル。判り辛いか?

しかし、これにも反例が! xavier氏の手持ちの2台のGGは、両方とも2ASIC版にもかかわらず、一台は丸みを帯びたLCDカバー、一台は平らなLCDカバーだそうです。


判別法3:起動時画面による判別方法

ただし、もう一つ判断基準になるかもしれないのは、「電源を入れたときに"PRODUCED OR LICENSED BY SEGA ENTERPRISES"画面が 出るか否か?」という点です。

メガドライブも同様なのですが、ある時点から出荷されたGGでは、GG起動時にすぐROMカセットのゲームが起動せず、上記の"PRODUCED〜"画面が 表示されるようになっています。

Chris Covell氏、および私が持っている物を合わせた9台のGGのうち、"PRODUCED〜"画面が出ないものは全て2ASICのGGでした。
ただし、お店でジャンクのGGを見かけたとしても、その場で電源を入れさせてもらうことは難しいでしょう。


結論
現状のところ、分解せずに2ASICのGGを判別する方法は無いようです。

・2ASICのGGをシリアルナンバーから判断することは難しい(ただし、Bモデルは2ASIC版である可能性が高い)
・正面のLCD画面カバーが平ら/丸みを帯びていることは判断材料とはならない
・電源を入れたときに"PRODUCED OR LICENSED BY SEGA ENTERPRISES"画面が出るGGは、2ASICである可能性が高い。

これらの条件を満たすGGを見つけたら、とりあえず分解してみるしかありません。
そのうち、1ASIC版GGの改造方法が見つかるかもしれません。


参考にしたサイト・コンテンツ
・Omar Cornut (Bock)氏による、「SMS POWER!」
・SMS POWER!内、掲示板の"GameGear-TV"(ゲームギアRGB出力化改造)の話題
・上記掲示板の書き込み内容、特にxavier氏、ccorvel(Chris Covell)氏の記事
 特に、Chris Covell氏は、2ASIC版GG入手のため、ヤフオクで5個ものジャンクGGを購入したそうで、それらのシリアルの情報を教えてくれました。凄い!

以前、「暫定版」として公開したものを大幅に改修した。
(2005/05/15)

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