ゲームボーイソフト(カードヒーロー)のバックアップ電池の交換

セーブできないゲームを買っちゃった!(2個も!)そんな時どうします?


概要
「カードヒーロー」の捨て値販売とバッテリー消耗問題、およびゲームボーイソフト向けのバックアップ電池の交換。高級ドライバー。


発端
先日、秋葉原のゲーム屋を覗いたところ、ゲームボーイの「カードヒーロー」が50円で大量に売られていました。
カードヒーローは、昨今流行のカードバトルタイプのゲームです。以前ちょっと遊んでみたら結構面白かったので、いつかじっくり遊んでみたいと思っていました。良い機会と思い、2個ほど購入してしまいました。

早速ゲームを遊んでみると、最初のチュートリアルまでは丁寧に作られており、かなり面白そうなゲームであることを期待させられます。
主人公がカードゲームを始めるところからスタートとなり、そこから単純化したルールでの試合、カードごとの特性の紹介など、チュートリアルも親切に進んでゆきます。 あまりに親切なのでマニュアルが要らないほどです(そもそも、マニュアル自体に『取説(マニュアル)いらずの親切設計』と明記されている)。
チュートリアルが終わる頃には、ゲームの基本ルールもなんとなく理解でき、手持ちのカードも何種類か揃い、最初のオリジナルのデッキも構築できました。カードを揃えて「デッキ」を構築する・・・近年のお子様がカードゲームで遊んでいるときに発する「デッキ」の意味が初めてわかりました。

さすが外箱に『面白さ保証付き 応援 ファミ通』と書いてあるだけあります。この時代のファミ通は、本当にゲームを遊んでから評価をしていたらしい、という事実にも軽く驚きを覚えます。
ここで一旦セーブを行い、一回目のプレイは終了となりました。


「おきのどくですが ぼうけんのしょは・・・」〜時計機能付きカセットの電池消耗問題〜
その後、続きを遊ぼうと思い、ゲームボーイの電源を入れたところ驚愕の事実が!

電源投入後、セーブデータの選択画面が表示されると思いきや、画面でははじめのチュートリアルが繰り返されています。
これはセーブデータが作成されていない時の挙動です。つまりセーブデータが消えていました!

正常にセーブされなかった原因は何なのか?その究明のため、ゲームボーイ本体を換えてみたり、充電をしなおしたりしてセーブを試しました。 が、どうも原因は本体には無く、カセットにあるようでした。
・・・と、簡単に書いていますが、実際はチュートリアルがある程度進まないとセーブできず、一回の試行で2〜30分、を数回繰り返しました。

本体が正常だとすると、カセットのバックアップ電池が切れているのだろうか?
しかし、ゲームボーイ以前に発売されたファミコンのゲームなどでは、 まだまだセーブ機能が利用可能、つまりバッテリーが切れていないカセットもあります。 このカセットだけが、特にバッテリー切れを起こすのも少しおかしいと思いました。 やはり50円で売っていたソフトということで、製造ロットの不具合かなにかで、カセットに故障があったのでしょうか。

ところが、カードヒーローについてネットで調査したところ、新たな事実が判明しました。
このカセットには時計機能があり(確かに、ゲーム冒頭で日時を入れさせられます)、時計機能を持つGBカセットは、通常のバックアップのみのカセットと比べ、電池の減りが早いということでした。「ポケットモンスター」シリーズの時計機能付のカセットも、やはり同様の電池消耗問題があるようです。 これが原因だとすると、2本目のカセットを試してみても同じことでしょう。

原因が電池切れということであれば話は早い。単純に電池を交換してやれば良いわけです。 電池交換については、ゲームボーイでは行ったことは無いですが、 マスターシステムのバックアップ付きソフト「ファンタシースター」の電池入れ替えは経験があります。

そこで今回は、ゲームボーイの電池入れ替えに挑戦することにしました。


部品調達
電池交換のために必要な部品を集めます。


【用意するもの】
・電池(リチウム電池CR2032)・・・1
・ゲームボーイカセットを開けるためのドライバー(「ENGINEER DTC-20 内径3.6mm,外径4.5mm」と記載あり)・・・1
・電池ホルダー(CR2032)・・・1、ただし未使用。
※全て秋葉原の千石電商で購入。

当初は、電池交換と一緒に電池ホルダーの取り付けも合わせて行おうと思っていました。
電池ホルダーは、電池を接続する端子と保持する腕(バネの場合もある)がついたパーツです。 通常のカセットでは、構成部品の数を減らすためか、バッテリーバックアップの電池はカセット基板上の端子に直接ハンダ付けされています。 このため、ワンタッチで電池交換というわけにはいきません。 今後もちょくちょく電池交換を行うのであれば、電池交換が容易になるように電池ホルダーを介したほうが良いと思ったのです。 しかし実際にカセットを開けてみたところ、サイズ的に内蔵するのは難しく、あきらめました。

特筆すべきはドライバーです。 写真ではちょうど値札が隠れていますが、1,200円もしました!50円のカセット修理に1,200円!!
でもこれさえ買っておけば、スーパーファミコンのカセットも分解し放題です。 「ジーコサッカー」を大量に買ってきて、他のソフトに入れ替えるときにも役立ちますね。
そういえば、名著「バックアップ活用テクニック」の何号かには、ドライバー自作の記事も載っていたような・・・。


交換作業

まずは高級ドライバーでカセットを分解します。右上が電池です。電池の左上および右下に端子が見えます。


ハンダ付けされた端子とともに、電池を取り外した図です。+(プラス)と−(マイナス)を良く見ておきましょう。

ここまで来たら、電池の加工です。今回の作業で一番難しいと思われる部分です。
電池ホルダを使う場合は不要ですが、電池の+極と−極にリード線を一本ずつ、直接ハンダ付けします。
ハンダごてを電池にあてる際に、あまり長時間あて続けないようにしましょう。なるべく端っこに、しかししっかりハンダ付けします。
ハンダ付けが終わったら、カセットに内蔵した後で周囲とショートしないように、テープ等を巻きつけて絶縁します。


最後に電池をハンダ付けします。はっきり言ってこれでもマージン一杯で、カセットの蓋がぎりぎり閉まるくらいです。


最後に
電池交換後にゲームを遊んでみたところ、無事セーブが行えました。
これで腰を入れて遊べる・・・と思ったのですが、折り悪く(運良く?)長らく探していた「DT」が手に入ってしまい、 そっちを優先して遊んでしまっています。「DTゾウショク」&「リメンバー」とか詐欺だろ・・・

まあ今回の電池交換で寿命は4〜5年は延びたと思うので、2010年くらいまでに再開すれば大丈夫!



「DT」=童貞ではない


(2007/01/06)


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