サイバースティックでアフターバーナーを遊びたい(2)
ニセカブトの製作



パッと作ってサッと使おう


部品を集める
以下に示す部品を集めてください。その他、配線材なども必要です。
最近はほとんど、通販でそろえられるんだなあ…インターネットってすごい!

品名数量備考、参考URL
mbed1http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-03596/
ユニバーサル基板1
ピンソケット適宜mbedのピン数をまかなえるだけ必要。1列ピンヘッダ20ピン分x2
Dサブ9ピンコネクタ オス1http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=86C8-5GET
Dサブ25ピンコネクタ オス1http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=26D8-5GEG
USBコネクター Aタイプ 基板取付型1http://www.marutsu.co.jp/shohin_13901/
ロータリースイッチ(6回路2接点) 1入力タイプ(ATARI/SEGA)切り替えスイッチに使う。
http://www.marutsu.co.jp/shohin_5468/
ロータリースイッチ用ツマミ1
集合抵抗10kΩ(8素子9ピン)1http://eleshop.jp/shop/g/g71G13K/
押しボタンスイッチ1リセットボタンに使う
ケース1タカチのケースなど
外部電源(以下はLPCXpresso 1769の場合、必須。+5Vを入力ジョイスティックに供給するために必要)
整流用ショットキーダイオード30V1A2http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01707/
スイッチングACアダプター5V2.3A 1http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00029/
DCジャック φ2.1 基板用1http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=A23A-2BHX
出力ケーブル用
Dサブ25ピンコネクタ メス4http://www.marutsu.co.jp/shohin_46697/
D-SUBコネクターカバー 25P用4http://www.marutsu.co.jp/shohin_13950/
サターンジョイスティック用ケーブル1故障したパッドなどから外す
ファミコンジョイスティック用ケーブル1故障したパッドなどから外す。普通のDサブ15ピンメスコネクタは、たぶん本体に接続できない。
PCエンジンジョイスティック用ケーブル1ミニDIN8ピンコネクタ+多芯ケーブルで作れることは作れる。
が、ハードオフでジャンクパッド\100を買ってきたほうが安いと思う
メガドライブジョイスティック用ケーブル1故障したパッドなどから外す。普通のDサブ9ピンメスコネクタは、たぶん本体に接続できない。
USBケーブル TypeA-TypeA1プレステ3用

この中で集めるのが困難そうなのが、各種TVゲーム機のジョイスティック用ケーブルだと思います。
20年くらい前までは、秋葉原で「MSXジョイスティック用ケーブル」「ファミコンジョイスティック用ケーブル」などがフツーに売っていたのになあ…時代の流れですね。
まっとうに入手するにはもう、特注するしかないのでしょうか?
「アホか、普通のDサブコネクタのメスだろうが?」と思っている方は甘い!コネクタの部分が長くないと、ゲーム機に挿すことができません。

最近良くある、ファミコン互換機のジョイスティックケーブルがDサブ9ピンコネクタに似ており、使えるかと思って分解してみたのですが、ピンが内部で数本しか配線されていませんでした。メガドライブ用には9ピン必要なので、使えません。ひょっとしたら9ピン全部、無駄に接続されている互換機もあるのか?
運良くジャンクパーツなどで手に入った方は、普通のDサブコネクタを使い、延長ケーブル的にしておくと応用が利くかもしれません。

なお、『外部電源』の部分のダイオードは、StarBoard Orangeの回路の解説の丸パクリです。アナログ回路に詳しくなくて、すみません…
LPCXpressoでなくmbedを使い、USB給電(普通の書き込み用ケーブルで電源をまかなう)の場合、外部電源は不要です、たぶん…
本当はサイバースティックの消費電流を調べて「ネッ、サイバースティックの電源はmbedでまかなえるでしょ?」と書きたいのですが、今回は間に合いませんでした。不安な方は外部電源をお使いください。

また、ブレッドボードなどで軽く済ませる場合、ロータリースイッチは代わりに「2回路2接点スライドスイッチ×2」でもいいでしょう。ページ先頭の写真の基板もスライドスイッチで済ませています。


組み立て
回路図を参考に、部品を組み立てます。

本体


※本体回路図(外部電源無し版)はこちら

オプション:出力ケーブル


水魚堂の回路図エディタ』向けの回路図データはこちら
注意点は特にありません。やけどに気をつけよう!

なお本ページ先頭の写真、mbedの両脇の基板上に、アーチ上の端子が何本か出ていますが、デバッグ用のプローブ接続用の端子です。回路図にもありませんので、不要ならば省きます。
また、基板の裏面はこんな感じにゴチャゴチャしています。ダイオードや集合抵抗は裏面に取り付けています。

なお、ブレッドボードで作るとこうなります。本当にゴチャゴチャでノイズも乗りやすくなるので、まじめにゲームで使うなら基板を作りましょう。

開発中なので、ロジアナ用の引き出し線などが出ている。
また当初はDIPスイッチで出力モードを変えていたが、かったるいことが判った為、廃止した。

基板を作り終わったら(作る前でもいいですが)、mbed/LPCXpresso 1769にプログラムを書き込みます。


起動
  1. ニセカブトの電源の入れ方を確認する
    先にも書きましたが、mbed/LPCXpressoで電源周りの使い方が少々違います。

    1. mbedの場合
      mbedのUSBポートとPCのUSBポートをケーブルで接続します。これによりmbedおよび基板に電源が供給されます。
      この状態でサイバースティックを稼動させることは可能なはずですが、気になる方はACアダプタも接続してください。


      また、PCのない環境(例:居間にある大きい画面でファミコンを遊ぶなど)では、ACアダプタのみを接続すれば、mbedおよび基板に電源が供給されます。


    2. LPCXpresso 1769の場合
      ACアダプタジャックにACアダプタを接続してください。

      「写真みたいに書き込み部を切断してなければUSBから給電できるだろうが!」とお思いかもしれませんが、ダメです。
      LPCXpressoはmbedと異なり、+5V出力が省略されています。サイバースティックに+5Vを供給できません。

  2. 電源を切る。入力用ジョイスティックを接続する。スイッチを切り替える
    電源の入れ方を確認したら一旦、電源を切り、入力ポート(9ピンコネクタ)に入力用ジョイスティックを接続しましょう。
    今回の趣旨としてはサイバースティックが接続できれば良いのですが、カブトガニのPCモードも接続可能です。
    加えて、メガドライブ用の6ボタンパッド「ファイティングパッド6B」も接続可能です。
    最後に、接続した機器に合わせ、「入力タイプ(ATARI/SEGA)切り替えスイッチ」を適切に設定してください。

    なんでファイティングパッドが接続できるのか?…セガマニアは、9ピンコネクタにはセガ製ジョイスティックを接続できなければならない[MUST]からです。

    【注意!】
    サイバースティック&カブトガニを接続している場合、電源投入前は必ずアナログモードにしておいてください。
    さもないと、入力デバイス自動判定処理に失敗し、入力を正しく得ることができません。
    また、カブトガニはPERSONAL COMPUTERモードのみ対応し、MDモードは対応しません。

  3. 出力用ケーブルを接続する。ゲーム機にも接続する
    出力ポート(25ピンコネクタ)に出力用ケーブルを接続します。
    また、そのケーブルでゲーム機にも接続します。
    後述しますが、出力用ケーブルの接続状態により、ニセカブトはそれぞれ以下のモードで動作します。

    表:ニセカブト動作モード

    【注意!】
    プレステ3に接続する場合、USB-Aケーブルでニセカブトとプレステ3を接続しますが、その際、25ピン出力ポートには何も接続しないでください。
    ニセカブトは「出力ケーブルが何も接続されていない」=「プレステ3ジョイスティックモードで動作するべき」と判定します。

  4. ニセカブトの電源を入れる

  5. ゲーム機の電源を入れる
    【注意!】
    PCエンジンの電源を入れる場合、基板上のリセットボタンを押しっぱなしにしながら電源を入れてください。
    PCエンジンでは起動時、ジョイスティックポートで不思議な処理を行っているようで、mbedの電源が入ったまま接続されていると、PCエンジンの電源が入らないことがありました。 やっぱほら、コア思想だから、いろんな機器が接続されることを想定してたんだよ、きっと…(遠い目)
各動作モードのキーアサイン、注意事項
以下に、ニセカブトを各モードで動作させた場合のキーアサインについて記します。
入力デバイスとそのモードによっても微妙に変化します。
また、モードごとの注意事項も記載しました

ニセカブト動作モード入力デバイス詳細
メガドライブモードサイバースティック アナログモード1-i
サイバースティック デジタルモード、 もしくはファイティングパッド6B1-ii
ファミコンモードサイバースティック アナログモード2-i
サイバースティック デジタルモード2-ii
ファイティングパッド6B2-iii
PCエンジンモードサイバースティック アナログモード3-i
サイバースティック デジタルモード3-ii
ファイティングパッド6B3-iii
サターンモードサイバースティック アナログモード4-i
サイバースティック デジタルモード4-ii
ファイティングパッド6B4-iii
プレステ3USBジョイスティックモードサイバースティック アナログモード5-i
  1. メガドライブモード
    1. 【メガドライブモード】入力デバイスがサイバースティック アナログモードの場合
      カブトガニ アナログモードとして動作します。




    2. 【メガドライブモード】入力デバイスがサイバースティック デジタルモード、もしくはファイティングパッド6Bの場合
      デジタル3ボタンパッドとして動作します。

      特殊操作:Cボタンを押しながら起動した場合、AボタンとCボタンを入れ替える(マスターシステム向け)



      【注意!】メガドライブのデジタルモードの再現度はあまり高くありません。
      6ボタン読み取りを行うゲームでは使える可能性が高いですが、3ボタンパッドのゲームはかなり辛いです。

  2. ファミコンモード
    1. 【ファミコンモード】入力デバイスがサイバースティック アナログモードの場合
      ファミコン用デジタルジョイスティックとして動作します。



      ファミコン版「アフターバーナー」を遊ぶのに最も適したモードです。
      スロットルを引くことでアフターバーナーが発動します。

    2. 【ファミコンモード】入力デバイスがサイバースティック デジタルモードの場合
      ファミコン用デジタルジョイスティックとして動作します。




    3. 【ファミコンモード】入力デバイスがファイティングパッド6Bの場合
      ファミコン用デジタルジョイスティックとして動作します。




  3. PCエンジンモード
    1. 【PCエンジンモード】入力デバイスがサイバースティック アナログモードの場合
      アナログジョイスティック(サイバースティック/カブトガニ+X-HE3)として動作します。たぶん。



      本モードはX-HE3と同様な動作をしているとは限りません。
      関東・甲信越のリサイクルショップを周っても、どうしてもX-HE3の実機が入手できませんでした。
      推測&実験で作った弊害か、「オペレーションウルフ」が動作しません。
      「アフターバーナーII」「アウトラン」「フォゴットンワールズ」は動作するようです。

    2. 【PCエンジンモード】入力デバイスがサイバースティック デジタルモードの場合
      デジタル2ボタンパッドとして動作します。




    3. 【PCエンジンモード】入力デバイスがファイティングパッド6Bの場合
      デジタル2ボタンパッドとして動作します。




  4. サターンモード
    1. 【サターンモード】入力デバイスがサイバースティック アナログモードの場合
      セガマルチコントローラー アナログモードとして動作します。




    2. 【サターンモード】入力デバイスがサイバースティック デジタルモードの場合
      セガマルチコントローラー デジタルモードとして動作します。




    3. 【サターンモード】入力デバイスがファイティングパッド6Bの場合
      セガマルチコントローラー デジタルモードとして動作します。



      【注意!】サターン動作モードはすべて「コナミアンティークス」非対応です。
      このゲームは他のゲームとは読み取りタイミングが違うようで、対応をあきらめました。

  5. プレステ3 USBジョイスティックモード
    1. 【プレステ3USBジョイスティックモード】入力デバイスがサイバースティック アナログモードの場合
      プレステ3USBジョイスティックとして動作します。



説明終了
これで大体の説明が終了しました。
詳しくはソースを見てください!

「まとめ」へ続く

(2013/07/27)



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